フィルムカメラのワクワク感がたまらない!
インスタグラマーから写真家への道のり
~川原茉林さんインタビュー1~
2016.12.16フェイスブックで素敵な写真に「いいね」を押したり、インスタグラムでお気に入りの写真を見つけたり――皆さんの中にも、SNSを「写真作品ギャラリー」として使用している方がいるのではないでしょうか。今回お話を伺った川原茉林(まりん)さん【 @maryn1114 】は、インスタグラムに写真を投稿しているうちにフォロワーが増え、カメラマンとしての仕事が舞い込むようになったという経歴の持ち主。
今回は、その成功のきっかけについてお話をお伺いしました。
お兄さんがきっかけで足を踏み入れた写真の世界
今回お話を伺った川原さんは、いわば“インスタグラム発”のカメラマン。そんな川原さんが最初に写真を撮るようになったきっかけは、写真好きのお兄さんにあったようです。
「実は、私の兄もインスタグラムを写真ギャラリーとして使っているインスタグラマーなんです。私は元々写真にそこまで興味がなかったのですが、ある日ふと兄がやっている撮影会に行ってみたくなって、連れて行ってもらったんです。それが凄く楽しくて、どんどん写真に興味を持ち始めました。」
「兄に借りたオールドレンズで撮ったら、凄く面白かったんです。最近はオートモードで撮れるカメラが当たり前になっている中で、自分でピントを合わせて、露出を合わせて…というのは、とても新鮮でした。本格的に写真を撮り始めたのは、兄に誕生日プレゼントとしてLeica(ライカ)のオールドレンズ「summer(ズマール)」を貰ってから。オールドレンズを手にしてからは、世界が変わったような気がしました。」
「一番最初はデジタルカメラにオールドレンズを付けて、というスタイルから始めました。でも、周りの写真仲間達がフィルムカメラを使っているのを見て、それも面白そうだと思って試してみたんです。そしたらやっぱり凄く楽しくて。それからはもうずっとフィルムカメラを使い続けています。」
だからやめられない!フィルムカメラの面白さ
フィルムカメラは、デジタルカメラに比べ手間もお金もかかります。それでも川原さんがフィルムカメラに夢中になるのには、どんな理由があるのでしょうか。
「私が使っている中判カメラ(ローライフレックスF2.8)のフィルムは、12枚撮りで1000円弱。正直、凄く高いんですよね。現像するのにも1本600 ~700円。だからその分、1枚を撮るのにすごく集中するんです。それこそ息が止まるぐらいに。」
「フィルムカメラはデジタルと違って、シャッターを切った時点では出来上がりを確認することができません。そのワクワク感がたまらないんです。デジタルだと、撮った写真を画面ですぐに見れるし、プリントした出来上がりも見えたままですよね。でも、フィルムだと想像以下も想像以上もある。意図しない何かの写り込みなどのアクシデント的なことが、想像以上に多いんですよ。それがやめられないところですね。」
「撮りたかったものが撮れてた時は本当に嬉しいし、撮れてなかったら悔しくてまた頑張ろうって思う。現像が仕上がると、家に帰るまで待ち切れないんですよ。楽しみ過ぎて、帰り道の途中で見ちゃうこともよくあります(笑)」
写真が「趣味」に、そして「仕事」に
「本格的に作品を撮るようになってからは週に2、3回は撮影に行っていた時期もありました。長野、福島、千葉…日帰りで行くことが多かったですね。他の人が撮っている写真を見て、私も行ってみたいと思って行った場所もありました。旅行兼写真撮影といった感じですね。」
「私は寝るのが大好きで、写真を始めるまでは一度も朝焼けを見たことがなかったんです。でも、写真を撮っているうちに、朝焼けの写真を撮りたいと思うようになって。初めて九十九里で見た朝焼けは、凄く綺麗でした。そのとき、写真を始めてよかったと思いましたね。」
「インスタグラムを始めたのも、兄に勧められたのがきっかけです。初めはプライベートな写真をアップしていましたが、段々と作品として写真を載せるようになりました。ちゃんと投稿し始めたのは、2015年春ぐらいですね。」
「インスタグラムに写真を載せていて、それを見た方から少しお仕事を頂けるようになって。でも私は、どこかで勉強をしたり、アシスタント経験があったりというわけではないので『プロのカメラマンです!』とはちょっと言いづらいです。写真愛好家、ぐらいな感じです。」
「趣味で始めたことなので…」と、あくまでも自分をプロのカメラマンだとは言い切らない川原さん。川原さんの心の中には、こんな思いもあるようです。
「お金を稼ごうと思ったら、多分私の撮っている写真やカメラが正解ではないんです。「写真を撮る」っていっても色々あると思うんですけど、私は大切な思い出や、その瞬間に出会った景色、大切な人を写真に残すことのような、思い入れ…そういうものをこれからも大事にしたいです。」
川原さんのお話から真っ先に伝わってきたのは「写真って楽しい!」という気持ち。その気持ちは時として、テクニックや道具を超越する魅力を産み出すのかも知れません。川原さんのように、いつまでも“ワクワク”を忘れずに写真を撮り続けましょう!
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