マクロ撮影のコツ
~マクロレンズで花と水玉の写真を撮るテクニック~
2015.08.28突然の雨があがると、花びらに雨の水滴がついてキラキラと輝いていた…
そんなシーンを美しく撮影するには、マクロレンズを使ってみましょう。
マクロレンズは、花びら一枚に接近して画面いっぱいに写せるほど接写ができるレンズです。
雨あがりの花びらにマクロレンズで接近すると、水滴がレンズの効果を生み出して、そばに咲いている花が水滴に写り込み、不思議な光景を描いていることがあります。
マクロレンズとは、簡単に言うと一般的なレンズよりもより近距離でピントが合うように設計されているレンズのこと。
普段、もっとアップにして撮りたいのにピントが合わない!って、悲しい思いをした経験はありませんか?
マクロレンズなら、そんな悩みも解決! 約2cm x 3cmくらいの範囲が画面いっぱいに写せるほど近づいて撮影することもできます。
水滴写真のコツは、まず、水滴の乗った部分にしっかりピントを合わせること。
そして、その水滴の中に花を写り込ませる時は、自分がどの位置から、どんな角度でのぞき込めばきれいに写り込むかを慎重に探ることです。
マクロ撮影の注意点
マクロ撮影の時は、一般的なレンズでの撮影時よりもピント合わせや構図作りを慎重に行ないましょう。マクロレンズを使って、被写体にぐっと近づいた距離で接写する時は、ほんの数ミリでもカメラが動くと、画面の構図やピントの位置が大きくずれてしまいます。手ぶれの影響もとても出やすいので、カメラをしっかり固定できるように、三脚を準備して構図を決めて撮影しましょう。
ピントの合う範囲は、同じくらいの絞りにしても前後数mmしか得られません。
被写体とカメラの距離が近づけば近づくほどピントの合う範囲は浅くなり、背景は、形が判別できなくなるくらいボケて、ほとんどが色だけの表現になります。
オートフォーカスでピント合わせをする場合、ピントの枠を、ピントを合わせたい場所に来るように設定し、狙ったところにピントが合うように調整しましょう。
ピントを確実に固定するには、ピント合わせのあとにオートフォーカスを解除して、マニュアルフォーカスに切り替えて、ピントを固定してしまうのも良いでしょう。
© Hiroshi Kawakami 1/60 f3.2 ISO800
マクロレンズには、50mm前後の焦点距離のレンズと100mm前後の焦点距離のレンズがあります。
ほぼ同じ範囲を撮影する場合、焦点距離の数字が大きいほど、離れた位置から撮影できます。
虫などに気づかれないよう離れて撮影したい時や、照明を前から当てたいときは100mm前後かそれよりも望遠のマクロレンズをおすすめします。
そのほか、レンズ自体の大きさや重さの違いもあります。マクロレンズは、接写以外の撮影にも使えますので、ズームレンズよりも明るい単焦点レンズとしても使ってみましょう。
ズームレンズの“最短撮影距離”で撮ってみよう
© Hiroshi Kawakami 1/160 f6.3 ISO400
マクロレンズは、花びら一枚を画面いっぱいに写せるほど接写ができますが、そこまでの接写はあまり日常的には行わない方も多いはず。
そこで、普段お使いの標準ズームレンズで、どこまで近づいて撮影できるかやってみましょう。
まずは普段使っているレンズのズームを一番望遠にセットして、ピント合わせできる距離まで近づいてみましょう。意外と大きく撮影できることに気づくと思います。
© Hiroshi Kawakami 1/60 f5.6 ISO250
さらにアップで写真を撮りたい時は、最大の画素数で撮影することをおすすめします。
そこからトリミングという切り抜き加工をしてもよいでしょう。
元の画素数が大きければ大きいほど、切り抜いてもプリントに必要な画素数まで余裕がありますので、ある程度の大きさでプリントをしても十分な画質が得られます。
© Hiroshi Kawakami 1/250 f5.6 ISO400
そのほか、エクステンションチューブというレンズとカメラボディの間に装着することで接写ができるようになるアダプターや、レンズの先端にフィルターを装着するようにつけられるクローズアップレンズがあります。マクロレンズを購入するよりも安く手軽に接写を楽しむことができますので、マクロレンズは高いからと接写をあきらめないで、こういうアイテムを使って気軽にマクロ撮影に挑戦してみましょう!
(川上博司)
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