犬を可愛く撮る7つのコツ
2016.02.10おうちで飼っているペットは、いつ見てもかわいくて癒されますよね。でも、その姿を写真に撮ろうとすると、ちょっとブレたりピンボケだったり画面からはみ出したりして、意外と難しく感じている方も多いと思います。そこで今回は、わんちゃんを例にペット写真の撮影のコツをお話ししましょう。
Hiroshi Kawakami 1/125秒 f8.0 ISO100
ペットの目線でかわいく撮影するコツ
Hiroshi Kawakami 1/60秒 f2.8 ISO100
人間よりも背の低いペットの写真って、見下ろすような位置からの写真ばかりになっていませんか?
お使いのカメラが、液晶画面を見ながら撮影できるタイプでしたら、床や地面すれすれの低い位置にカメラを構えながら撮影してみましょう。
すると、きっといつもとは違う表情や背景の、ペットたちが眺めている世界に一緒に入ったような写真を撮ることができます。
ペットを動かさないで撮影するコツ
Hiroshi Kawakami 1/500秒 f5.6 ISO800
ペットの撮影でお悩みが多いのが、ブレたりはみ出したりしてなかなかうまく撮れない!っていうこと。
そんな時は、イスや小さなテーブルの上など、動き回れる範囲が少ないところに座らせて撮影しましょう。
背もたれに布をかけたり何かぶら下げたりするのも良いでしょう。
背景をぼかしたい時は、背もたれではなく、遠く離れた床や壁を背景に、可能なら少し後ろに下がって望遠レンズで撮影しましょう。背景は、主役から離れれば離れるほど、望遠レンズになればなるほどきれいにボケてくれます。
撮影する時は、背景や小物の配置や構図を決めて、撮影準備が万端になったところでペットを乗せてあげましょう。
ペットを撮影場所に乗せてからアレコレ迷っていると、その場から逃げようとします。準備を整えてから、素早く短時間で、いい表情をしてくれるうちに撮影しましょう。
音や大好きなおもちゃで目線を引きつけたい時は、レンズのすぐ上あたりで動かすと、カメラ目線の写真が撮影できます。
構図が決まったらカメラの位置を動かさないように固定して、液晶画面やファインダーから視線をはずし、カメラで隠れた飼い主さんの顔をペットに見せてあげましょう。すると、おもちゃを使うよりも一層視線をひきつけやすいです。時にはそのような(ノーファインダー)撮影方法にも挑戦してみましょう。
広角レンズと望遠レンズを使い分けるコツ
Hiroshi Kawakami 1/8秒 f2.8 ISO200
かわいいペットを画面いっぱいに撮りたいと思ったときは、広角レンズで近づいて大きく写した時と、アップで写る望遠レンズにして離れたところから撮影した時の写り方の違いも意識して撮影しましょう。
広角レンズで近づいて写すと、お顔が大きく誇張されて、背景はいろいろなものが写ります。
望遠レンズで離れたところからアップで撮影すると、全身のバランスが見た目に近く、背景もシンプルにボケて写っているかと思います。
広く写る広角レンズになればなるほど、遠近感が誇張され、魚眼レンズのような広角レンズで撮影すると、以前流行した鼻の大きな丸顔のわんちゃんのような写真になります。
モデルさんのようにスタイル良く、背景をぼかして撮りたい時は、少し離れたところから望遠レンズで撮影しましょう。
ペットを引き立たせる光を使うコツ
Hiroshi Kawakami 1/30秒 f2.8 ISO800
ペットの毛並みを引き立たせるには、逆光で撮影しましょう。
ふわふわとした毛並みに当たった光が輝くように際立ちます。
さらに、手前が暗くなったペットに明るさを合わせるように露出補正をプラス補正することで、背景がより一層明るくなり、シンプルに表現されます。
主役のペットを背景より引き立たせるコツ
Hiroshi Kawakami 1/40秒 f8.0 ISO160
主役のペットを背景よりも引き立たせるには、背景の色や明るさに気をつけましょう。
特に背景の色や明るさがペットの毛色と同じような色や明るさにならないようにすることが重要です。
明るい毛色であれば少し暗めか濃い色の背景を、濃い毛色であれば明るめか薄い色の背景を選びましょう。
毛色がうまく表現できない時は、露出補正と、その場の光の色に合わせたホワイトバランスを設定しましょう。
カメラのオート撮影では、黒っぽい毛色は暗いと判断して明るめに写そうとします。逆に、白っぽい毛色は明るいと判断して暗めに写そうとします。
そこで、黒系や色の濃いペットの場合は露出補正をマイナス側に、明るい毛色のペットの場合は、プラス側に露出補正しましょう。露出補正の操作は、+/-表示のあるボタンやダイヤルを使って操作します。
多くの場合、ホワイトバランスは、オートのままでも綺麗に撮影できますが、もし、画面の色が電球色の赤みを帯びていたり、画面全体が青っぽく写ってしまったりする場合は、その場の明かりの種類にあわせて、ホワイトバランスを太陽マークや日陰マーク、電球マークなどに設定しましょう。上級者向けに、その場の光の色を記憶させて色味を調整するマニュアルホワイトバランスという機能が付いているカメラもあります。
ピント合わせのコツ
Hiroshi Kawakami 1/125秒 f8.0 ISO160
人間でも動物でも、顔が入った写真を撮るときの基本は、カメラに近い側の目にピントを合わせることです。
特に鼻先の長いわんちゃんを正面から撮影する場合などは、オートフォーカスのポイントを自動選択にしていると、鼻先にピントが合ってしまうことがあります。それは、カメラのオートフォーカスポイントが自動選択になっていると、手前にあるものにピントを合わせようとする傾向があるからです。
オートフォーカスのエリア選択を目のあたりに調整して、ピントが鼻先に行かないように気をつけましょう。
動きの早いペットを撮影するコツ
Hiroshi Kawakami 1/500秒 f6.3 ISO400
動きの早いペットを撮影する時は、ISO感度を少し高めに、スポーツ写真を撮る時と同じような設定で撮影しましょう。
カメラによってはスポーツモードの設定がありますから、モードダイヤルを切り替えて設定しましょう。
スポーツモードにすると、シャッタースピードができるだけ早くなるように設定され、オートフォーカスは、動くものを追いかけ続ける設定に。さらに連写にもなりますので、素早く動き回るペットの一瞬の動きや表情を撮影するのに適した設定です。
特に、ドッグランなどで遠くから走り寄ってくるわんちゃんを撮影する時には、是非スポーツモードを試してみてください。
わんちゃんが走ってくる姿を正面から撮りたいときは、オートフォーカスを中央1点に設定してそこから外さないように撮ることをお勧めします。
スポーツモードの設定が無い場合は、コンティニアスAFという、動くものにあわせてピント合わせをしてくれるモードにして、さらに、連写モードでシャッターを押し続けて撮影してみましょう。シャッタースピードは、1/500秒よりも早いシャッタースピードに設定すると、走っている瞬間をピタリと止めて撮影することができます。早いシャッタースピードにするために、外でもISO800位の高感度に設定するようにしましょう。
Hiroshi Kawakami 1/100秒 f6.3 ISO800
横に走り抜けていく姿を撮影する時には、流し撮りというテクニックを使いましょう。
流し撮りとは、わんちゃんが走る速度に合わせてカメラを動かしながら撮影する方法です。流し撮りのコツは、カメラを、上下にブレさせることなく水平に一定速度で動かすことと、シャッターを押す前から走る姿を追いかけ始めることの2点です。安定した動きで水平にカメラを動かすには、動かないものを撮るときと同じようにカメラをしっかり構えて、その腕の状態のまま、上半身を腰からひねるようにして水平に回し動かすことです。腰をひねるように回すときは、先にひねった状態の位置から始めて、そのひねりを自然に戻すように動かしたほうが、より安定した流し撮りができます。
意外と簡単なコツも、ちょっと難しいコツも、いろいろ試しながら、かわいいペットたちをさらにかわいく、写真にいっぱい撮ってあげてくださいね。