イルミネーションやライトアップをキレイに撮るコツ
2015.12.09もうすぐクリスマス。街はライトアップされ、きらびやかなイルミネーションが飾られる季節になりました。そこで今回は、イルミネーションに飾られた夜の風景を美しく撮影するコツをご紹介いたします。
色と明るさをキレイに撮影しよう
イルミネーションやライトアップは、その光の色と明るさが重要です。
夜は空や背景が暗い部分が多いので、オートで撮影すると、イルミネーションやライトアップが見た目よりも明るく写ってしまいがち。カメラは、画面全体の平均的な明るさを計ろうとするため、オート撮影では、夜の暗い部分が多ければ多いほど明るく写そうとしてしまうのです。イルミネーションが明るく白っぽい写真になってしまったら、+/-マークの露出補正を、マイナス側に調整しましょう。
逆に、明るく白いイルミネーションを画面いっぱいに撮影すると、カメラは画面全体が明るすぎると判断して暗めに写ってしまうことがあります。
見た目よりも暗く写ってしまった時は、露出補正を、プラス側に動かして補正しましょう。
暗めに写すとイルミネーションの色が濃く、明るめに写すと淡く明るい色に表現されるようになります。明るさとともに色の濃さにも気をつけながら露出補正や設定をしてみましょう。
スマートフォンやタッチシャッターで撮影するときは、イルミネーションと暗い背景の境界線辺りをタッチしてみましょう。バランスの良い明るさになり、キレイな夜景写真が撮影できます。
ホワイトバランスは「太陽マーク」がオススメ
撮影前に、ホワイトバランスの設定を「太陽マーク」に設定しましょう。
ホワイトバランスをオートにしたままだと、カメラの判断で色を調整しますので、出来上がりの写真が見た目通りの色にならない場合があります。日中の光の色に合わせた太陽マークにして、肉眼で見た色に近い色のイルミネーションを撮影しましょう。
三脚を使ってしっかりキレイに撮影しよう。
三脚はブレを軽減するために使うもの!ですが、もう一つ重要な意味があります。それは、構図をしっかり決めて固定できることです。
明るさ設定が難しいイルミネーション撮影の場合、しっかり気に入った色の濃さでイルミネーションを撮影しようとすると、何枚も撮影することになる場合があります。
撮影、液晶画面確認、設定変更、再撮影……と手持ち撮影で繰り返していると、構え直すたびに構図が毎回微妙に変わってしまい、狙い通りの構図の写真が撮れなかったりします。さらに、一見キレイに撮れた写真でも、よくよく拡大してみるとイルミネーションの光の点が微妙にくの字を描いていたりブレたりします。
そこで三脚の登場です。三脚を使って、撮りたい構図をしっかり決めて固定することで、ブレを軽減し、思い通りの構図で納得いく色や明るさになるまで撮影することができます。
ソフトフォーカスで撮影してみよう
©Hiroshi Kawakami 1/15 f5.0 ISO1600
イルミネーションの光がファンタジックで、光がにじんだような、ふわっとした写真も魅力的ですよね。そういった写真は、ソフトフィルターやフォギーフィルターというフィルターをレンズの前に装着すると撮影できます。
が、フィルターを付けたり外したりするのは面倒とか、コンパクトカメラやスマホだから、そんなフィルター取り付けられないし…なんていう方に、カンタンにファンタジックなふんわり写真を撮る方法をご紹介します。
それは…レンズに息を、ハ〜っと吹きかける方法です。
つまり、レンズを息で曇らせるのです(笑)
まずはレンズを思いっきり曇らせて、カメラを構えて、ほどよく曇りが取れてきたところでシャッターを押します。
たったそれだけで、光のにじんだファンタジックな写真が撮れます。
なぁ〜んだ、そんなこと……と思われた方もぜひ挑戦してみてください。
思いのほかステキな写真が撮れますよ!
雨の日や水辺のイルミネーションは2倍美しい
今日は雨だから撮影に出かけるのはちょっと……なんて思っているアナタ、いやいや、雨の日だからこそ2倍美しいイルミネーションが撮影できるのです。
雨が降ると地面が濡れます。すると地面にイルミネーションが映り込んで、光の面積が2倍に増えるので、晴れた日のイルミネーションとはまた違った写真が楽しめます。カメラやレンズを濡らさないように気をつけながら、雨の日のイルミネーションも楽しんでみましょう!
水辺のイルミネーションでも同じように水面への映り込み撮影が楽しめますよ。
イルミネーションで遊ぼう
©Hiroshi Kawakami 1/13 f2.8 ISO3200
レンズの前に黒い画用紙などで作った星型やハート形の穴をかざし、マニュアルフォーカスにして光をボカしていくと、ボケた光の点の部分にその穴の形と同じ光の形が出来上がります。
穴の大きさは、五円玉の穴の大きさよりも少し大きいくらいの大きさで、光が透けない紙や素材のものに開けましょう。画用紙以外の身近なものですと、鉄道の切符くらいの厚さの紙素材が、切り抜いた穴が毛羽立ちにくく、ハート型や星型の穴を開けるにも、光が透けない意味でも扱いやすいでしょう。100円ショップなどで売っているクラフト用の星型やハート形のパンチで穴を開けると簡単できれいです。
レンズは100mmくらいかそれ以上の背景を大きくぼかすことのできる望遠を使いましょう。レンズの絞り値は、光が大きくボケるように、できるだけ開放に近く設定してください。
レンズの一番前の外径と同じかそれよりも大きいサイズの透けない紙等で、穴の部分以外から光が入り込まないように工夫しましょう。
光の広がりを写そう
スローシャッターでイルミネーションを撮影している最中にズームを動かすと、不思議な光の広がりを撮影できます。
これは、ズームすることで画面の中に写っているイルミネーションのサイズが連続して変化するため写る現象です。スローシャッターでシャッターが開きっぱなしになっている間にズームしたり、わざとカメラを動かしたりして光の筋を作ってちょっとアートな気分を味わってみましょう。
時にはアップで撮影してみよう
風景としてのイルミネーション全体を撮るのも素敵ですが、時にはぐぐっと近づいてアップで撮影してみましょう。イルミネーションに飾られた光のオブジェをみつけて、画面いっぱいに広がる光のイメージとして美しく切り取ってみましょう。
アップで撮影することで、背景が大きくボケます。その光もまた、やわらかな美しさを感じさせてくれます。
©Hiroshi Kawakami 1/30 f2.8 ISO200
イルミネーションを背景に記念写真を撮ろう
絞り優先(AV)モードにして撮影してみましょう。通常、夜景の中でフラッシュを光らせて記念写真を撮影してしまうと背景が暗く写ってしまいます。スローシンクロモードとは、フラッシュを光らせながらも、その場の暗さに合わせたゆっくりとしたシャッタースピードで背景も明るく写すテクニックです。
カメラの稲妻のようなフラッシュマークを押すとスローシンクロの設定が出てくるものと、フルオートモードやプログラム(P)モード以外に設定するとシャッタースピードが、その場の明るさに合わせたゆっくりのスピードで切れるものがあります。
人物を街灯やイルミネーションの明かりで明るくなった場所に立ってもらいながら撮影するのもアリです。