七五三の写真を、かわいく撮るコツ
2015.11.12子供の成長記録には欠かせない七五三撮影。写真館のスタジオで緊張の中、きちっとキメキメの写真を撮っておくことも大切ですが、子供が緊張しすぎない場所や、お参りに行った神社の中の風景を活かして撮影する写真も、自然な表情が撮れていいものです。
今回は、そんな大切な日の素敵な表情を撮影するコツをご紹介します!
©Hiroshi Kawakami 1/60秒f2.8 ISO800
子供の目線になって、背景を意識しよう!
©Hiroshi Kawakami 1/60秒f3.2 ISO800
子供を撮影するときは、子供目線にカメラを構えることが必須です。同じ目線まで低くなって撮影すると、子供の見ている風景が背景に感じられる写真になります。しゃがんだ位置から撮影したり、液晶モニターを水平にして上から見られるようにしたり、低い位置からカメラを構えて撮影してみましょう。 大人が立ち上がった目線から見下ろして撮影するのも良いですが、その時も、背景にどんなものが写り込んでいるかをしっかり確認して撮影しましょう。
連写で、一瞬の表情を撮影しよう!
©Hiroshi Kawakami 1/60秒f2.8 ISO1000
子供を画面の中で大きく捉えたい場合は、カメラがピント合わせの場所を自動選択してくれるオートフォーカスが吉です。子供の表情や仕草はめまぐるしく変わりますから、カメラの操作に翻弄されていては、一瞬のいい表情やポーズを逃してしまいます。カメラは、ピントも明るさもできるだけオートにして、画面の中の子供の一瞬を捉えることに集中しましょう!さらに連写モードで何枚も撮影して、その中から一瞬の素敵な表情を見つけ出すのも良い方法です。
記念写真を証明写真にしないコツ
©Hiroshi Kawakami 1/60秒f3.2 ISO800
記念写真は、真正面よりも少し斜めを向いて立ってもらうようにしましょう。証明写真のように真正面を向かせて立たせるのではなく、少し斜めを向いて立たせることで、動きや立体感が生まれます。基本は、千歳飴の袋を持っている側に、少し体を向けてあげることです。体は斜めに、顔と目線はカメラに向けて正面に。これがキメ顔、キメポーズの基本です。
大人が一緒に写る時も斜め立ちが基本です。そうすることで肩幅や体の幅が目立ちにくくなるので、ちょっとスリムに写ることができます(笑)
細かな注意点ですが、着物の袖や裾からじゅばんが乱れてはみ出していないか、よく確認して撮影することも大切です。その場ではあまり気にならなくても、写真としてじっくり見ると、ポーズや表情以上に意外と目に付き、気になる部分になります。
ぐずったら、しゃがませたり座らせたりしましょう。
子供は長い時間同じポーズで我慢してくれません。ベストなポーズにならなくても、連写で数枚撮影しておきましょう。ぐずりかけの子供は、待っていればご機嫌になる保証はありません。
そして、着付け後の着物はだんだん着崩れてきます。まずは、早め早めのタイミングで撮影しておきましょう。
帯の結び目がきれいな後ろ姿や、ヘアスタイル、髪飾りのアップの撮影も忘れずに撮影しておきましょう。
背景は遠くに、人物は近くに
©Hiroshi Kawakami 1/60秒f3.2 ISO800
神社などの建物や鳥居と一緒に撮影する場合、子供を建物に近づければ近づけるほど、建物全体を入れて撮影しようとすると、レンズは広角を使うことになり、子供は小さく写ってしまったり、妙に頭でっかちに写ってしまったりします。そんな写真では、子供が主役なのか建物が主役なのかがわからない写真に・・・。
プロっぽく撮影するなら、標準ズームの望遠側や、望遠ズームで建物から少し離れたところから撮影しましょう。18-55mmの標準ズームなら55mm側で!
まずは背景の入り具合を決めて、それから子供の半身や全身が入る位置に立たせて撮影してみましょう。背景を遠くに、子供を近くにしてピントを合わせると背景がほどよくボケるので、プロっぽくカッコイイ写真が撮影できます。
背景がボケると言っても、55mm程度のレンズですと、どんな建物かはしっかりわかる程度のボケ具合ですので、撮影した場所の状況や雰囲気を活かしながら撮影できます。
広く写る広角レンズを使って子供にグッと近づいて撮影すると、見下ろす位置からは頭でっかちに、下から見上げるように撮影すると、ちょっと迫力のある面白い写真に仕上げることもできます。何枚かはそういう写真を撮っておくのも面白いでしょう。
おうちの中で、かんたんスタジオ撮影!
©Hiroshi Kawakami 1/60秒f8.0 ISO400
お部屋の中でスタジオ風に撮影したいときは、カーテンレールにシーツを吊るして背景にするとお手軽ローコストで簡易スタジオができ上がります。
子供だけを撮影するならシングルサイズで、親子で撮影するならダブルサイズを用意すると良いでしょう。床に着いた部分のシーツは、踏まないようにまっすぐ後ろ側に折って整えておくと、写真の出来上がりが綺麗に見えます。
オークションなどで背景布を奮発して購入しても、数千円程度で購入できますので、写真館よりも安上がりです。本格撮影を目指すなら、トライしてみましょう。
もちろん、お部屋の雰囲気をそのまま活かして撮影するのも良いでしょう。
室内でストロボ撮影をするときは、写真館のような傘を広げて撮影するようなセットがあればベストですが、そこまでしなくても、天井や壁が白いようであれば、天井や壁にフラッシュを当てて光を反射させるバウンス撮影をすることで、綺麗に撮影することが可能です。子供に直接フラッシュを当てて撮影すると、背景に強い影ができてしまいますが、光の向きが変えられるフラッシュを使うことで、天井や後ろ上方の壁に向けて光を反射させることで、主役の子供を全体から柔らかく照らしてくれる状態になり、背景に強い影が出なくなります。
白い天井がなくても、白いレースのカーテンなどに光を反射させれば大丈夫です。そこをめがけてフラッシュを光らせてみましょう。
©Hiroshi Kawakami 1/125秒f9.0 ISO100
レンズは、50mmよりも数字が大きいレンズで、子供の目線でまっすぐ正面からカメラを構えて撮ってあげましょう。
三脚でカメラの位置を固定すると、何度も構え直す必要がなくなって撮影が楽になりますし、時にはカメラから目を離して撮影するノーファインダーという撮り方で子供の姿を直接見て声をかけながら撮影すると、より自然な表情で撮影できます。
家族写真もセルフタイマーを使って撮影しておきましょう。
カメラは入門機でも、フラッシュやレンズは上級のものを使うと、写真のでき上がりがぐっと良くなりますよ。
子供はそれを我慢できない…
©Hiroshi Kawakami 1/125秒f9.0 ISO100
子供が、キメポーズの写真に飽きてしまったら、自由に遊ばせてあげましょう。ムリヤリ我慢させて同じポーズをとらせるのではなく、自由に遊んでいる様子をスナップする撮り方に切り替えましょう。きっと自然ないい表情が撮れますし、もう一度キメポーズの写真を撮りたい場合も、遊ばせてご機嫌を取っておけば、わりとすんなり協力してくれることでしょう。
©Hiroshi Kawakami 1/125秒f9.0 ISO100
失敗写真と思っても、消去しないで!
©Hiroshi Kawakami 1/125秒f9.0 ISO100
機嫌が悪そうな写真も泣いてしまった写真も、そっぽを向いてしまった写真も、たとえブレやピンボケの写真でも、その場で消去するのは絶対NGです!
何年か経ってその写真を見れば、そんな表情も、きっと楽しい思い出になりますから、しっかり残して保存しておきましょう。
そのために、SDカードやコンパクトフラッシュは容量の大きい、たくさん写真が撮影できるものを用意しましょう。普段は充分と感じている2GBや4GBのカードも、子供を夢中で撮影しているとすぐにいっぱいになってしまいます。少なくても8GBくらいのカードを用意して撮影に臨みましょう。
最大の画素数で撮影しておきましょう!
©Hiroshi Kawakami 1/15秒f2.2 ISO80
そして、撮影データの画素数も、普段は多く撮影できるようにSやMに設定しているかもしれませんが、晴れ姿の撮影はLの最大画素数で撮影しておきましょう。小さな画素数で撮影してしまうと、いざ最高傑作が撮影できたとしても、小さな写真にしかプリントできません。素敵な写真は、何枚か選んでプリントや写真集のようなアルバムにしてみましょう。
写真を何点も使うアルバムの場合、いい表情で撮れた写真を大きく、そして隣のページに、泣いた顔や怒ったりぐずったりした、そこにたどり着くまでの表情の写真などを入れると、アルバム全体が面白くなります。楽しい思い出がページをめくるたびに思い出される。そんなアルバムには、キメ顔や綺麗に撮れている以外の脇役にする写真が重要になってくるのです。
本人だけでなく、子供をなだめようと奮闘しているパパやママや、孫の成長を見て微笑んでいるおじいちゃんおばあちゃんの表情も、それぞれのカメラでしっかり撮っておきましょう。
いい写真はいいカメラが必要?
©Hiroshi Kawakami 1/60秒f2.8 ISO800
ここぞ!という写真を撮るために奮発して買った一眼レフも、使い慣れていないと失敗の連続なんてことも。いいカメラ以外にも、使い慣れたコンパクトカメラやスマホでもしっかり写真を撮影しておきましょう。子供も、撮られ慣れているカメラの方がいい表情をしてくれる場合もあります。
新しい一眼レフやミラーレスを使うときは、基本操作をしっかりマスターしておきましょう。まずは電源スイッチの位置のチェックから、一番使いやすいオートの設定、ズームレンズの動かし方、安定した構え方、そして、明るさ調整(露出補正)の方法をしっかり確認しておきましょう。
難しい使い方を覚えようとするより、まずはピントと明るさだけ、しっかり合わせられるようにしておくことが大切です。電池の充電と記録カードの空き容量も忘れずにチェックしておきましょう!
モデル: さいとう まこ
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